むかしの話
私が営業になった当時は今のようにまだ携帯電話などは無く、ポケベルの時代でした。
しかも音が鳴るだけで番号表示などもない物でした。
なので、会社から鳴らされても鳴らなかったと言い張ってよくサボっていました。
いわゆる給料泥棒って奴ですね。
今はいつでもどこでも繋がってしまうので便利なんだか不便なんだか・・・。
ですが、当時の会社もなかなか負けていませんでした。
休みは週に1日あるかないかで残業も付かず、100時間以上のサービス残業は当たり前。
唯一の楽しみは、帰りに毎日のように仲間と呑みに行くことくらい。
当然朝は二日酔い、午前中はサボって午後からだんだん元気になり夜が一番絶好調!!
仕事に行くというよりは、夜呑みたいから仕事に行っているような生活でした。
ちなみに私が初めて使った個人携帯は、レンタルで7万円!
月々の使用料も、ほとんど使用しなくても
2万5千円くらいしてましたΣ(゚д゚lll)
今は当たり前の通信機能などなく、通話も限られたエリアのみ、名前さえもカタカナで数文字入れられるくらいだったと思います。
ある日、いつもの居酒屋で知り合った方から声をかけられ、
購入を検討している人がいるので紹介したいと言われました。
正直プライベートで仕事の話は、したくないなと思いましたが、
ありがたい事なので、お話を伺いました。
装備などについては、殆どご自身で決めていらっしゃったので、すんなりと話は進み、翌日には無事に商談成立、ご注文をいただきました。
当然紹介してくれた方の顔も立てたかったので、条件から納品までの対応も特に配慮しました。
その甲斐あって、お二方とも とても喜んでくれたので
「仕事で嬉しい気分なんて初めてかも・・・悪くない」
いつも事務的に仕事をしていたので、今までに無い新鮮な気持ちになりました。
実際は、たとえ決まらなかったとしても紹介をいただける事自体が
とてもありがく嬉しい事なのですが、この頃の私は自分が恵まれている事に
気付いていませんでした。
ちょうどこの頃、新規店舗の話があり、私はオープニングスタッフに選ばれました。
これまで担当していた地域より、少しのどかな地域でしたが土地も安く、
人口も増えてきた良い街です。
オープンしたては、当然来店のお客様も多くて忙しい時期が続きました。
悪い言い方をすれば、勝手に買いに来てくれるので、どちらかというと売れて嬉しいより、忙しくて面倒くさい気持ちの方が勝っていました。
相変わらず仕事は嫌いですが、やる事はやる様になってきました。
生意気に、どうしたら効率よく売れるかばかりを考えていました。
それから少し時が経つと、お店のオープン効果も無くなり、逆に他社店舗のオープンが
増えて来店客も減っていきました。
まあそのうち何とかなるだろうくらいに思っていましたが、やっぱり少しずつ
契約件数は落ちてきます。
「仕事は、してるのになぁ」
とりあえずオープン当時の様にチラシを配っては、その行動のみで”仕事をしたつもり”に満足していました。
実際チラシを100軒、200軒に配っても反応なんてほぼゼロなんですよ。
何年か続けていれば、「たまに入っているよね」とか、「見たことあるね」
程度の感想が頂けるくらいのものです。(やらないよりはマシですけどね)
それ以上深く考えずに同じような日々を過ごしていました。
ある日、担当地域のお客様からアフターサービスについてのお叱りを受けました。
要は売りっぱなしだと。
確かに契約にばかりに囚われていて、購入意欲の高い所には頻繁に伺い、
買わないとなれば、足が遠のく。
いつの間にか そんな状態になっていた事に気付かされました。
それを機に、どうせ成績も下がってきたし、怒られるのも嫌だし
基本に戻ってみるのにいい機会かな思う事にして、アフターフォローを重視した活動をしてみることにしました。